10月号
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鶏頭は秋口から稽古に何度も使われる花材である。大別して、久留米鶏頭、鶏冠鶏頭(とさかけいとう)総鶏頭(ふさけいとう)、羽毛勺つもう)鶏頭、槍鶏頭などがある。葉鶏頭も同じヒユ科ではあるが属は異なり、雁来紅とも書かれる。切りたての鶏頭なら葉をつけたままいけても大丈夫。花屋に長時間おかれていたもの、或は展覧会の時などは葉をとっていけるようにした方が無難である。サンセベリアは千歳蘭とも言う。稽古にもよく用いるし、ビル内にもよく置かれている観葉植物である。だが締麗なサンセベリアは少ない。喫茶店等におかれているものは傷だらけで気の毒な姿である。税古用のサンセベリアでもよく確かめて注文しないとひどいものを持ちこまれるζとが多い。乙れは黄斑(きふ)千歳蘭、斑のないのが千旗開である。普通サンセベリアは長くいけるがこ乙では鶏頭の方を強く見せたいので低自のものをえらんでいる。花器は白木を割った木鉢である。何に使うものか知らないが飛騨の高山で買って来た。ごつごつした木鉢なので大きな強い色の鶏頭や肉の厚いサンセベリアに負けない。まるでアフリカ人の食器のような感じである。こんな場合花は少し手荒くいけた方が良い。荒削りではあるがいけて気分のいい花になる。頭鶏サンセベリヤ(千歳蘭)花器木彫大鉢9

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