テキスト2011
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色の花ととり合わせができる。だが夏の花なのであまり多色にならない方がいいと思う。このガラス器は東ドイツのガラス工芸作家の工房を訪ねて買ったのだが、そのお庭に色んな魚のガラス像が並んでいて大変興味深くて買いたかったのだが重すぎて持って帰れそうな物ではなかった。残念。花材糊空木黒米彩色ガラス出3頁の花〉八川のお盆の頃から、今年も蜂膝が毎夜鳴いている。夜明くのでめったに姿を見たことがない。私が桑原の家に来てかれこれお年になるが、毎年同じ辺りで鳴いている。ひょっとして蝶蜂の寿命はとても長いのかと思い調べてみたが、およそ一年とのことなので、毎年違う蝶蜂が鳴いていることになる。こんな都会の真ん巾で。あんな小さな体でよくあれだけの大汗坑を出せるなあと感心する。しばし鳴き戸に聴き入ると社さも忘れ、頭の中には秋の野の草花が風に揺れている。花材璃璃虎の尾女郎花吾亦紅枯梗(白花)山均薬の笑花器手付き平能山化削研虫の声〈’n化とピンクの花色で、株々な仙渓3

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