テキスト2011
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ラッパ水仙にも同じ忽いを抱く。ラナンキユラスは卜川に花壇に植えておくと、翌年の問刀頃に咲きはじめる。その球恨を初秋に低温室で冷蔵発根させた上で温室に移してやるとラナンキユラスは冬を越して春が来たのと思って咲きはじめる。いわば人聞が花をだますのである。だがそんな花は暖かい部屋にいけて大切に見守ってあげたい。一緒にとり合わせたラッパ水仙や雪柳にも同じような思いやりを。本来はまだ地中で眠っている花なのだから。花材花器一一月二十五日は北野の天神さんの梅花祭である。時たま見に出掛けることもある京都の二月はまだ冷え冷えとしている。少し暖かみが感じられる日が二、三日続いてくれるのは三月半ば過ぎからになる。でも三凡の末に告一に冷えこんで、朝起きると庭に雪が積もっていることがある。京都は市内でも北と南ではかなり気温がちがう。北山に雷雲がかかっていると仁賀茂神社の広い芝生には雪が積もっている。そんな口、もっと北の大原まで行くと美しい雪景色ラナンキユラス(金鳳花科)ラッパ水仙(彼岸花科)雪柳(薪被科)灰向色柑深鉢に出逢、える。京都の市内では背から今出川通りを境にして、北と南では気温が違うと云われているが、歩いてみればその差が体感できる。節分の日の夕方、よく吉田神社にお詣りに行く。その頃が京都でいちばん寒い季節。神社は京都市内の気温の分かれ目になる今出川通の東の端にある。参道を歩いていると風もないのに寒さで体のしんまで冷たくなる。そうやって京都の四季を体で覚えこんでゆくのだろう。今年のお正月は大晦日に降った骨ーが庭の赤い山茶花に積もった。父とほも寒い佼巾に二人並んで眺めていたが、今年はケンチャンもその民色がよかったらしく軍首パにとっていた。この雲龍木瓜、椿、菩被の投入と共に彼の記憶に残してくれたらと思う。雲うん龍りゅう木ぽけ瓜楼子3

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