テキスト2010
24/137

田山、っ。臓梅は栴よりも甘く優しい馨りがする。そして宋心臓梅の花弁は蝋細工のような半透明なので蝋梅とも書く。この投入花は階下の茶室に飾っておいたのだが、夜の問、閉めきられた部屋の中は蝋梅の馨りに満たされている。朝その部屋に入ると、とても気持ちよく嬉しくなってしまう。そして匂いのない胡蝶蘭までいい馨りを放っているようにさえ見える。花は色や形に加えて、その匂いまで美しさを感じさせる安主であると花から庇接抽出される天悠杏料は大変貴重なものである。だが一度南フランスで蓄積の天然香料を作っているとい、つ農園を見たことがある。広大な畑に蓄積が咲いている。何百万輪咲いているのか知らないが、菩蔽の木から花だけを切りとって匂いを抽出するのだそうである。千輸の荒川緩から一体何滴の香料が得られるのだろう。一瓶が何万ユlロもするそうだが、まるで蓄蔽の魂を抜きとっているような光景に見えた。天然香料は色々な溶液で淡められ、他の香料とミックスされて小さな香水の一瓶になるのだが、私は花一輪の香りだけで充分なような気持になった。花材蝋梅胡蝶前ミリオクラダス花器花の香棲子11 旬Er屯k肱−7

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る