テキスト2010
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省略形のいけばな「花を主役に」。三体いけ立体真主型の省略形主材チューリップ(百合科)副材赤芽柳(柳科)替蔽(蓄積科)季節の枝と花のとり合わせを考えた場合、枝を伸びやかにいけたところに花を添えることが多い。そうすると背の高い花か横に幅広い花になるが、枝を短くいけて小さめにいけるのも、初心者にはわかりやすい。その場合、花を主役にして真に立て、枝は横前(副の位置)に集めて挿すことで短くても広がりを感じるいけばなになる。このような枝の使い方にむいているのは、細めの枝がいい。作例には赤芽柳の細い脇枝を使ったが、他には青文字、雪柳、黒芽柳などでも、このチューリップと蓄積のとり合わせが応用できる。水仙を、五材にして椿を短く添えることもできる。赤芽柳は別名、振袖柳で、赤い冬芽と赤茶色の木肌が美しい。また鱗片を脱いだ後の銀色の花穂は春の訪れを感じきせてくれる。チューリップはできるだけ葉がしっかりした品穂を選ばないと、主材には使いにくい。どうしても葉が垂れてしまう場合は小さく葉を切り直すか、葉の付け線で切って剣山に直接挿して、少しでも葉を生かすようにする。蓄積を短くいけた時は、下葉を有効に挿し加えて足元の茂みをつくるようにする。横から見たところ体いけ立体真主型の省略形(逆勝手)后刀匠茸真面リ4

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