テキスト2010
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枯五におおわれている。一見佐びしい風景だが、その枯葦の草原の中に入ってみると中々居心地が良さそうである。つもっていて尉囲は背の高い枯草で向こうが見えない。上は青空。風は葦の穂の上を吹き通って暖かい陽射し。ちっとも実ミない。を読んでいると、ここは天国より良い所ではないのかと感じる。背。その音もウイスキーの酔いが少しまわり、読んでる本の面’円い頁にくると自分の心以外何にも感じなくなってしまっている。そして読んでいる本のことも忘れ、心はその場の手間気に溶けこんでしまっている。えたからなのだろう。寝転がっているのかもしれない。ことを考えない。自分の想いを組み上げているだけのことである。ただ自分の心の中で思い返して良かったものにもう一度という気持で花をいけている。枯葦晩秋から初冬、淀川の河原は丈の高い寝ころんでみると、乾いた葦の枯葉が持ってきたウイスキーを含みながら本川の流れと風が葦の莱を摺り合わせる多分至福の一と刻なのだろう。枯葦が好きなのも、そんな枯葦と山逢この立花の正真、杜若のあたりに私が私は花をいける時、あまりむつかしいあまり上手な立花とは思っていない。仙粛ひ11

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