テキスト2009
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aaかけひ煙の木初夏に出てくる煙の木は淡緑色がかった円いのと、赤みがかった色の槌類がある。漆科の落葉性の低木で化は4Hに円錐状に集まって咲くが、開花季が過ぎると、円錐状の花穂の中の多数の不稔性の花柄が長く伸びはじめてフワフワした綿宅のようになる。花材として使われるのはその季節からである。色は前述のように二色だが、その二色まぜ合わせても使う。煙のように、ぼんやり、フワフワした花材なので、色のはっきりした大きめの花ととり合わせることが多い。少々色のきつい大砲の花でも、煙の木と合わせると、その色や形をやわらげることができる。白房の煙の木の場合、緑色の業はとり去っていけるが、赤い一民の煙の木には赤黒い葉がついているのでそのままいけることもある。季節には、大ていの花屋で売られているので精白にもよく使っている。とり介わせた化が終わったら、煙の木は紙でくるんで軒先に吊しておけばドライフラワーとして秋になっても使える。花材アンスリュlム一二色化器〈2頁の花〉煙の木太繭ミリオクラダス緑色柚コンポート仙粛浮かし花八3頁の花〉家では浮かし花を絶やさないようにしている。路地の人円からて−卜はほどの突き当たりに七十ヤほどの問角な水溜め、内玄関の左側には直径八十どの石臼に水をはっている。内玄関の中の井戸の横は長方形の水溜め。みんな御影石造りである。いつも家のあちこちに十杯ほどの花がいけである。いけた花が聞ききる頃に摘みとって本溜めに浮かべるのだが、少しぐらい萎れていても、水面にうかべてやると、一気に生気をとり戻し、風に吹かれて水面を漂う姿は生き生きと美しい。季節によって浮かべる花は様々である。平たく咲く花なら何でもいい。今の季節なら鉄線がいい。内玄関の水溜めに寛から落ちる水に揺れている鉄線。持い七川の午後、重い買い物袋を提げて汗だくになって家に入る。やっと日蔭に入って路地の奥、内玄関に浮かした花に辿りつく。私の家は別に機能的に山米ているわけではない。だから無意味に見えるスペースも多い。だが永年住んでいる問に、そんなスペースがうまく使えるようになったのだろう。そして色んなものを飾り過ぎないようにしている。花材鉄線板屋楓花器ガラス皿楼子γほ3 .a色の燃の木を一色だけ使ったり、

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