テキスト2009
54/146

いばらおおでIり蓄識の生花紫陽花ではなくて花型草型副流し花器雲藍候文花器フランスのノルマンディlに住むロパlト・マレ氏は、荒れ果てていた広大な敷地を風景式庭園として蘇らせ、今は多くの植物愛好家がここを訪れている。彼から戴いた分厚い庭園写真集には、表紙にエドワード・パlン・ジョlンズの絵が使われている。イギリスのラファエル前派の画家である。森の奥深く、太い荊が複雑にからみあう中に兵士たちがくずおれている絵だ。ノルマンディlはイギリスに近く、いくたびも戦いの場となってきた。今は平和を得て、荒れた自然も人の力で美しく蘇らせたいというロパlト氏の願いが感じられる。その絵の中の野菩磁の太い斐と白い花がずっと心に残っていた。菩被本来の逗しさをいけてみたい。それ以米、ときどき蕎械の生花をいけてみている。この紫陽花に似た花は大手強である。大手砲はH本に自生するヤブデマリ(スイカズラ科ガマズミ属)の同芸品種で、装飾北が丸く集まった花序を手訟に見立てた名前がついている。版穂の万のヤブデマリは、ガマズミやムシカリの花に似て、装飾北は外側、だけについている。ちょうど紫陽花の野生種の多くが額紫陽花のような安であるのと同じである。雨上がりに、水をいっぱい吸った大下誌がわさわさと咲く小遣を歩いたことがある。緑色の葉と白い花が視界を埋め尽くし、爽快な気分であったのを覚えている。大手誌には薄紅色の撫子がよく似合う。色の引き締め役に鉄線を加えていけた初夏の一作。花材大手強撫子鉄線花器変形三角柱ガラス花瓶せいか〈表紙の花〉〈2頁の花〉仙渓仙渓2

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る