テキスト2009
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第位回日本いけばな芸術展前期一人席出品松色立花八花器銅立花瓶立の松はもとの枝のまま使っている(ただし副は付け枝)。幹はやや後方へ#って急角度に山がり右前方へ振り出ている。左後方に長めに出した松(控)、右前方の重い馴木(流枝)、右後方へ出した小ぶりの賑宮居松(請)、後方へ出した胴木(見越)、前へ出した松(前置)でバランスをとっている。正真と胴は松の晒木を使った。真の松の風格になんとか応えられたのではないかとほっとしている。胡蝶蘭も、こんな淡紅色の椿ととり合わせ、古くから持っている花瓶に挿してみると、案外閑かな初冬の花に見える今の季節、花屋に行けば椿も色々と並んでいるし、胡蝶蘭は一年中見られる花である。だが花屋で、ふと見つめて、家に帰っていけてみると何となく気に入ってしまった。多分自分で意識していなかったようなとり合わせ。これも御縁なのかなという感じである。出口問者桑原仙渓表紙の花〉花材松晒木〈2頁の花〉機子ず閑しかな2

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