テキスト2009
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、わずいも色主型〈表紙の花〉仙粛同系色〈2頁の花〉楼子私はよく、色主型とでも云うべき花をいけている。この投入では、まず選んだのは暗紅色の紐鶏顕である。色のあるものには勿論形もある。この紐鶏頭は小さい毛糸の玉のような房が長いのは六十Tほどつながって垂れ下がっている立てると幾本もの太い紐のような花の間から後ろがすけて見える。その間から何か同系色の花をのぞかせたい。花屋で見回していると、紐鶏頭の色を淡くしたようなシンピジュlムがあったのでとり合わせることにした。あとの緑は家の庭に生えていた不喰芋の葉で間に合いそうである。黒に近い褐色の花器に挿して思い通りの花になる。花材紐鶏頭シンピジュlム不喰芋の葉花器黒褐色紬花瓶柔らかで薄くてしっとりした花弁のガーベラ。一方、リユカデンドロンの附く乾いたような砲は、ガーベラと同系の赤の色だが、やや淡色である。手触りも対称的な点一粍の花だが、いけ合わせてみると、リユカデンドロンはその手触りに似ず、案外かわいい花に見える。彼女のお国は南アフリカで、冬から春にかけて花開く2

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