テキスト2009
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朝鮮槙花型行型花器煤竹寸筒初夏に芽吹いた常緑樹の葉も、秋を迎えると深い濃緑色におさまってすっかり大人っぽく見えるように変わってくる。その頃は生花の基本構成を身につけられるような、棋、伊吹、柾木などが稽肯できる。私も秋円から春先まで稽古によく使うが、その円の調子によって中々毎回花型が少しずつずれている。それは以前からのテキストの槙や伊吹の宜孟パを凡て頂ければよく分かるのではないかと思う。真直ぐにのびた立ち枝と、少し斜めに仲びた枝では葉の付き方もちがうし、葉の長さも微妙にちがって見える。栽培された枝物といっても、それぞれ自分の生命を生き、成長してきた一枝なのである。五本一括りにして私迷の稽古場にやってくるのだが、機械で作られたものではないのである。だから目で見、手にとったときの感触で、型にはめて行こうとしながら形が変化するのである。7 fw 粛

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