テキスト2008
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・ν、。リラの咲く頃糸芭蕉この糸芭蕉の葉は比較的小さく、太い茎に二枚ずつ葉がついていた。三本使、っと葉は六枚になり、前、中、後ろにバランス良くとめてゆくが、作例のように深さのある花器の底に重めの剣山を置いて挿し、花器のふちにもたれさせれば前万へ長く葉を出せる。糸芭蕉は別名を琉球芭蕉ともいい、茎の繊維で芭蕉布を織る。バナナに似た実ができるが、生食はされない。花材花器ライラックが出凶り始めると、呑りの良い初夏の一日を思い出す。英名ではライラック「Lilac名ではリラと呼ばれるが、フランスで「リラの咲く頃」は一番良い季候の事を云うそうだ。日本へは明治二十三年にアメリカから北海道に導入された。札幌の大通り公凶には約四百本の街路樹として力強く咲いていたのに驚いたが、北海道では、ライラックの咲く頃に寒さが戻ってくると「リラ冷え」と呼ばれているらし直線的な出方をしていて、単調な枝の多いライラックだが、広がりのある曲線の多い枝が美しかった。足元をよく割って盛花として苔蔽ととり合わせている。糸芭蕉ギガンチウムアンスリウム盃型ガラス花器八表紙の花〉仙渓楼子−仏〈−一頁の花〉2

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