テキスト2008
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花材桃J河津桜朱塗りの水盤に青麦、お后機の左には冠が置かれている。簡素な飾り付けだが花は大らかにのびのびとそえられている。母はお雛様を飾るということはしなかったが飾るとなると、かなり手間をかけていた。私もあまりお雛様は出さないが、その頃美しく咲く桃は家のどこかにいけている。毎年事」の時季になると、私達は桜の枝を花屋で買うことができる。部屋にいけると居ながらにして花見気分が味わえる。彼岸桜や啓翁桜など化の小さいUT咲きの桜が出回り、やがて遅咲きの八重桜(普賢象など)が山てくる。今年は一片初旬に河津桜が出ていた。伊豆の河津では二月に入ると咲き始め、一二月初旬まで咲いているらしい。寒緋桜と大島桜を親にもつため、花は大きくピンク色で、いかにも春を感じさせてくれる。たっぷりと枝を亙ねてアイリスだけをとり合わせたが、このあと見事に満開になってくれた。ド化材河津桜アイリス化器花器赤紫色紬花瓶〈三貞の花〉仙渓淡亦紫色紬コンポート勺ペ白椿A3

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