テキスト2008
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b勺ゆ・『,(第一一一純郵便物認可1985年日刀おU)桑原専度流いけばなテキスト瑚号2008年2川ln発行(毎川l川l日発行)桑原市守慶流家元発行仙粛彩歳中国の文人達は非常に教養の高い人々だった。四、五才ぐらいから四書五経をきっちりと読みこまされ、更に六芸を仕込まれた。六芸とは士として秀でなければならない礼・楽、射、御、書、数である。札とは人との交際の規律と云っていいと思う。楽は勿論、音楽のこと、射は弓術。御は馬車や騎馬の扱い方、書はいうまでもなく書方。数は算数。古典籍に通暁し、六芸に秀でた人が科挙(高等文官の採用試験)に合格すれば閣僚や地方長官に任命されるのである。これらの人達は元々裕福だった上に、いくつかの官職を歴任してゆくと更に裕福になる。そこで気苦労の多い官職は早々と切り上げて自由に暮らすことを望む。そして詩を詠み、琴を奏で、読書に耽る。そんな閑雅な日々から生まれたのが文人画である。いい絵が描けるのは万巻の書を読みごなしてきたからであり、諸方の名山を迫造し、その風趣を心の中で、より良く抽象できるようになったからであると云う。万巻の書といっても一頁あたりの字数は大体三五O字ぐらいなので、一冊四O頁として一巻は一五、000字ぐらいのものである。現在出版されている本は一貞が一、000字定価.ム−一五川}】門与一\\さをさ・wcgm同町∞包印前後で頁数は三OO頁ぐらいとすると、字数は三OO、000字になる。ということは現在の単行本一冊は昔の木版摺の本の二O冊分にあたる。一万巻(冊)の書物は現在の活字本の約五OO冊分に相当するようである。冊読んで五O年かかるのである。しかも昔の中国文人達の必読書とされていた孔fの「論説川」、正子の「中庸」、或いは儒家以外の「老子」「荘子」等を熟読しようとするのは大変なことである。誇張された巻数だと団十つが話半分としても難解な本を毎年五冊づっ五十年間読み続けなければならないのである。だがそれくらい読みこめば、日分向身の思想、哲学もしっかりするに違いない。そして読書一万巻によって思牢古しいばかりの人柄になってしまう訳でもない。それは知実に文人達の絵に表れているのである。護守は優れた教養人でありながら友情にも厚く、侠気にん日間み、音楽を愛し、詩情曲」且かに暮らしていた。私には理想的な生活なのだが。床の間向きではないが、時々こんな花をいけている。カラフル:・花材ダリア三色青文字花器トルコブルl杯型花器mwDK2・nOB季節は抜きで仙粛五OO冊の本というと、一年に十

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