テキスト2008
136/145

赤い蘇鉄の実も熟れるころ珊瑚水木の枝先に沢山の’白い実ができている。別々引を’n玉水木と云うのは知っていたが、実際の実を見たのははじめてである。赤い木膚と枝先の白い球は、冬枯れの風景に不思議な茂みをつくるのに違いない。シベリアなどの実込町地にも自生する珊瑚水木に南アフリカのネリネを合わせ、さらにメキシコ原産のポインセチアで足もとを覆った。自然では考えられない組み合わせだが、赤い林に白い妖精が出てきたような感じになった。ポインセチアは執哨備の中で湯切りして白い樹液を出し切り、水にもどすと切って使っても、水保ちすることを花屋に教わった。金の器にいけるとクリスマスを迎えるあたたかないけばなになる。花材珊瑚水木(白玉水木)花器という歌詞ではじまる品川ハがある。高校生の時に奄美大島を訪ね親戚の家に厄介になった。そのおばあさんは大阪に住む姉(私の祖母)のために故郷の唄を歌ってくれた。それを私がカセットに録音して持ち帰ポインセチアネリネ(白北)王冠型真鏡花器仙渓り大阪の祖母に聴かせたのだ。それ以来、蘇鉄の実はいつも気になっていたが珍しく花屋にその実が売られていたので針金を茎に挿して使ってみた。糧色の丸い小石のような実についている黄士色の羽のようなものは大胞子葉で、雌しべの原初の形態だそうだ。蘇鉄の葉の茎を撰めて添え、小輪のカトレアをのぞかせて南国の風を相ザつ花にした。黄、米、晴赤色と一本の木に様々に彩られた南京櫨の紅葉。京都でも公園や街路樹として植えられている。市街地の騒音の中でも平気で色付いてくれている。タフな樹木である。そして十一月も終わりに近付くと落葉しはじめる。その時季、カラフルな紅葉の影にかくれていた21い種が出番を迎える。紅葉の終わったあと白い花が咲いたかのようにも見える。とり合わせは荒川被と鶏頭。白い南京械の実にはどんな色の化でも合わせられるが、この投入では紅茶色の蓄積と、濃い赤の鶏頭でまとめた。花器は空に浮かんだピンクと黄色の雲の模様。花材南京櫨鶏頭荒川誠(ブラックティ|)花器杯型彩文花器赤い林仙渓南なんき京んは櫨ぜ棲子2

元のページ  ../index.html#136

このブックを見る