テキスト2008
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句んしょう占句みしょうひのきりんどう檎龍路花型草型副流し花器煤竹寸筒この槍は、槍林の林床で、伐出し屋さんが見付けてきてくれた実生の槍の若木である。槍属のひぱ花材としては園芸品種の黄金孔雀槍葉と黄金槍葉がよく使われるが、槍そのものが使われることは少ない。檎は京都でも杉ほど多くはないが、植林されている。だが槍や杉の植林の下生えは、常に抜き取られているので、こんな幼生が花屋に出ることは少ない。この槍の下の方には根もついている立ち枝だった。成木の横枝ならもっとしっかりした太い枝で、葉も茂っている。何となく、ひひかえょろつとした頼りない姿なので、控に龍謄をそえることができたが、成木だとこうはゆかないと思う。一種挿しの武骨な生花になってしまうだろう。槍にもこんなかわいきもあったと感じていけた一瓶である。仙粛7 留

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