テキスト2008
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くがいそうななかまど九蓋世〈表紙の花〉私が小品花をいけることは少ないようである。でも、この九蓋草の枯穂などは小品花でしか風情は生かせない。九叢草は大体口当たりのよい山地の草原で夏に咲く淡紫色の花である。咲いているのは初夏から沢山花屋に並んでいるが、この結実した穂は売られていない。私の花屋が比叡山の中腹の花畑で育てておいてくれた一本である。こんな九蓋草が実をつける頃、山奥では七竃が紅葉しはじめ、桔艇もまだ咲き残っている。山林の秋風は心地よく冷えてきた。その感じをと、花器は染付を選んだ。花材花器この赤いガラス持は、付が十五年前、スウェーデンのコスタボダで買った花器である。モニカ・パックストレムさんの作品である。花の、のりのいい花器で、左にのばしたピパlナムの実のついた枝はかなり重いのに〈2頁の花〉楼子も秋好きな花器仙鷲a染村紅九付梗葉蓋八七草角篭枯細穂首瓶2

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