テキスト2008
11/145

っ申、ヲおもとそうせき高年音(宗積)花器煉焼水盤花型草型この高年青一は鉢植で、宗蹟とよばれている私の好きな品種である。八四四年刊の「車修本立網打砕蒙」という他物誌に、その名が記されている。記事として「京都木村宗磁ガ家始テソノ種ヲ出ス」と書かれている。同じ書物に私達がお正月の花、としてよく使う縁の白い「都の尉」が鹿児島県で作られ、高年青の中で最も上品だとも−記されている。閣芸としての高年青は十八世紀から盛んになり、約四OO種の変異種が育てられているそうである。生花としての高年青には、多様な花型と共に、それぞれの役枝に露受け葉とか実囲いというような名がつけられている。それはおそらく高年青を大切に育てていた人々の心情が入りこんでいたのだと思う。切り花しか知らない現代とはちがうのである。仙驚47

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る