テキスト2008
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出稽古に伺、つお宅の庭に大きな柿の木が生えている。お宅ではなくお店なのだが、」61伊万里のお血や什韮ランプ、アンティlクガラスなどが美しく飾られたギャラリーの奥に小さな庭があり、白い部屋と緑の庭が大変美しく居心地がいい。柿の業ごしの光が室内を優しく照らしている。このお店のオーナーご夫妻は慣習にとらわれない自由な精神をお持ちの方で、町中でお店を持つにあたって「小さな庭を緩うような柿の木を植える」ことを強く望まれたそうである。樫色の実の頃は云うまでもなく、艶やかな若葉がひろがるときの美しさ、小さな白い花の散る頃や中一日い実の可愛さに、いつも励まされながらお社点を続けてこられたのだろう。毎年変わらず葉をひろげ、実をつける庭の草木に励まされる。そんな気持は私達のいけばなにも共通したものだと旧ザっ。汗段のいけばななら少しの量でもかまわない。占くから親しんできた柿の実を安定のよい花瓶に投げ入れて、花で色を添える。それだけで充分に季節を味わえる花になる。柿の実と葉は霧吹きでほこりを法とし、多すぎる業は整理する。枝は折れやすいので、足元を割って配り木をはさみ、器に同定するといい。柿の葉の光沢が爽やかである。青渓柿仙9

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