テキスト2007
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八3頁の花の解説は5頁に〉松色立花大王松の鉢植えこの大王松は鉢植で、土の上三γほどの軸から二十五γほどの葉がのび上がっていた。こんな大王松ははじめてなのでいけてみた。とり合わせとしては、やはりはっきりした色としてご覧のような花を選んだ。花材大王松花器純白紬一府壷一色立花行の花型花材赤松若松五葉松晒木花器古銅立花瓶流祖冨春軒仙渓が出版した「立花時勢粧」には百卜八の立花図があるが、花材としてどこかに松が使われているものを数えるとなんと八十四図もあった。これは則ち深山から里山、そして海岸にいたるまで松が根をはっていたということと、日本人の松に対する思い入れの深さの現れだと思う。風雪に耐、えながら歳を重ね風格が具わり、葉の緑の美しさが人の心を捉え、若松の初々しきに成長への願いがこめられる。懐の深い自然を見つめ、感じ、知性で再構築するいけばな文化は、円本に松があったからこそ芽生え育ってきたのだと思う。だからこそ大切にいけたい。〈表紙の花〉仙粛ガーベラスイートピー八2頁の花〉仙渓花型松3

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