テキスト2007
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れいげん的・4,仙粛彩歳私の好きな神話は、ギリシャ神話と中国の神話である。どちらにも一神教的な絶対神はいない。ギリシャ神話によると、人間は大洪水があって、水がひいたあとの平原にやってきたデユーカリオンとその実ヒラが拾った石を府越しに後に放り投げた石からできたものにすぎなかったそうである。キリスト教のように、神が神に似せて造り給うたものでなく、人間が人間に似せて想像し創作したのがギリシャの神々なのである。だからすることは人間らしさがある。腹が立つと雷鳴を響かせ、稲妻を発したりする。そのヒ妻にかくれて美しい女神に夢中になったりもする。だからギリシャ彫刻の女神達は皆魅力的な姿に造られている。神々はギリシャ人と少し離れた所に居る別櫨族にすぎないような感じである。だから頼み事も、航海の安全を祈るならこの神様、美しい配偶者に巡り会いたいなら又別の神株、金運はこの神様と気楽に拝みに行けるのである。中国の神様も同じよ、つに融通のきく神様達である。先日上海の城陸廟にお詣りしてきたが、一社になんと神様の多いことか。それぞれ願い事の専門分野があるのだそうである。西遊記でおなじみの孫悟空だって明か宋時代には、もう立派な神様にされていてお話りに行く人も多く、霊験は大変あらたからしい。中国の神話では、人々にはじめて火を使ったF食べ物を作ることを教えた伏義氏、栖を作ることを教えた有巣氏、人々に民事や製薬を授けた神山氏氏、神良氏は日本にも伝わって、大阪の薬酒問屋の多かった北浜には神良さんを祭った神社もある。中国の道家思想の始祖老子も、いつの間にか道教にとり入れられ、神格化されている中国はご存知のように各科教的世界である中国画の伝統的な阿題に「虎渓三笑同」というのがある。仏教と道家(道教)と儒家(儒教)をそれぞれ代表する二一人が、求める道は一つだと悟って仲良く大笑する絵である。ここにはキリストもマホメットも仲間には人らないだろうH本も多産格は異なるが多神教国である。仏教、神道、キリスト教のそれぞれ気に入ったところを年中行事にとりこんで喜んでいる。そんな多和教の世界の小での中同の仙人の話や狐の話が好きなのである。仙人は西洋の魔法使いとちがって学識も杭まなくてはならないし、人格も高潔さを求められる。人に化した狐も眉目秀麗で文才もあり、並の人間よりずっと人格も秀でており愛情も深い。月夜になると狼に化けてしま、つ丙洋の狼男とは格段の差がある。随分話がとんでしまったが、そのうちまとまったことを持いてみよう。−作か申・’2

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