テキスト2007
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ごまのはぐさ毎年珍しい種類が増えていくようだ。カーネーションは丈夫な軸のものを選べば、大きく伸びやかにいける事が出来る。三月の岡山県展では倉敷社中の大角慶和さんが赤いカーネーションを三十本見事にいけられていた。節の所で水切りして、しっかりと剣山に固定していけていかないと途巾で倒れたり、線が交差したりするので、なかなか難しい。作例ではカーネーションを二色にしてレッドリlフという里芋科の赤茶色の葉を合わせた。父・仙粛と母・素子のいけばな作品集「花ふたり旅」には、助下として同行した沢山の思い出が詰まっている。ドイツの古都ケルンでは濃赤色と濃桂色の金也山早が白色と赤色のストックとともにいけられて街に溶け込みつつ鮮やかな色彩を放っていた。道行く人の感嘆の表情を昨日のことのように思い出せる。石とブロンズの街の片隅が、花によってがらっと変わった。選ぶ花と器とそのいけ方で干」れだけの影響をまわりの空間に与えられるのかと、両親の仕事の深さをしみじみと感じた。珍しく大型の金魚亨乞見つけたのでカーネーションと紫陽花の葉をとり合わせて伸びやかにいけた。金魚草は地中海治岸原産の胡麻葉草科の多年草。鼻を近づけると意外なほどけい香りがした。金魚草〈3頁の花〉仙渓3

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