テキスト2007
37/143

よん定よ〈たい、つノ。多分生手というものの花型が身についていなかった乱曲体JR京都駅新幹線冬の旅出品作先代(十三世家元)は、こんな生花の花型を「乱曲体」とよんでいた。当時(昭和初年)の本では川字で乱山髄と書かれていた。生花を始めた頃から興味はあったのだが、向分でやってみると何となく不様ないけ上がりになってしませいだろう。そして無理な携め方で、その枝の持ち味をこわしてしまっていたのである。乱曲体は、それに向いた枝が下に人った時しかできないのである。この梅は一本の大枝で、副に使った部分が見所だった。あとは水際部分がどうまとまるか、枝の曲がり具合を確かめて枝取りする。その計算が大切なのである。この乱曲体の生花で修整したいのは、留の椿の枝が左に少し傾いていることである。とり合わせた椿は花フジさんが取り寄せてくれた「出雲大社椿」である。これとよく似たのに「出雲阿同椿」という門m種がある。出雲大社栴よりやや色が淡い。「京の冬の旅」の年中行事の協賛展だが、京都の冬をなんとか上手に表現したいと想っている。仙驚10

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る