テキスト2007
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蔓梅擬大文蔓梅擬の実は、はじめ緑色だが、やがて黄色くなり、さらに弾けて中から一回り小さい丸い実が関手」出す。巾から現れる実の色には黄色、オレンジ色、朱色があり、かなり派手な感じになり、弾けた殻は乾燥して徐々に部ちてゆく。弾ける前の緑色の実には背々とした爽やかさがあり、弧を描いて雫れFがるい誌の形にはそれぞれに伺性があり、見飽きない。実が弾けるとイメージががらりと変わって秋の色彩を強く感じることができる。実の弾ける前と後の両方がたのしめる。蔓梅擬は錦木科の落葉低木で、円当たりのいい山地の広葉樹などにからみついて育つ。切り枝として出まわるのは細枝で、生花にできるくらいのしっかりした枝はなかなか出てこない。しかしごく稀に手首くらいの太枝にお目に掛かる。この秋に神戸ビエンナーレに出品した蔓梅擬も持ち上げるのが大変なくらい立派な枝で、花器に立てた支柱にバランス良く固定し、晒木を添えて苔をのせ、大文字草を覗かせて、長く垂れ下がる蔓と実の優雅さを見せた。字草仙渓10 −−−−ノ

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