テキスト2007
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冬から春ヘ〈叩頁の花〉棲子八日頁の花〉棲子ピンクのアナスタシア今年の冬は温かかったせいか昨年の十二月初旬から、アネモネも菜の花も花屋に並んでいた。春の陽気な彩りは冬の花と違い、見つけると買わずにはいられない。咲き方も春とは違い控えめだが、集、い場所に飾っても、聞いたり閉じたりしながら長い間咲き続けてくれた。アネモネには花弁はなく、暮J片が花弁状となったものなので、花びらが散ることはない。一一月にもなればアネモネも最盛期になって、大輪で多彩な品種が揃う。その頃には雪柳や黒芽柳などの春の花木ともとり合わせられるくらい茎も太く背の高いものが出荷される。細い花弁が力強く咲く糸咲きの洋菊「アナスタシア」を水仙、南天の実ととり合わせた。ロシア皇帝の皐女と同じ釜別であるこの菊は、愛知県の渥美半島でも栽培され、最近出荷が増えてきた。昨年十一月の京都女流京華会でも贋田慶喜先生が、菊の盛花でこの菊をいけておられたが、大輪の嘗麻菊、糸菊、中輪のピンポン菊、小輪の界低菊や北斗七星などと多彩に混ぜられて、白とピンクのアナスタシアが前に大きく傾斜して華やかで豪華な菊盛りだった。11

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