テキスト2007
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われも−yq心の周景中学三年間はサッカー部に入っていた。あまり上手ではなかったが、毎日の厳しい練習のおかげで基礎体力はできたようだ。高校では一転して美術部に入った。手塚治虫のマンガが好きで、あんなふうに描けるようになるには、やはり基本が大切だと思ったからだ。ある日八瀬大原に住心抜詮が風景画を一枚悼仰いてきた。紅色の夕陽を北川以に、務の棺が秋風にゆれている。なんて美しいんだろう。彼の心の豊かさを感じた。少し起をのばせば、山の穂が揺れる景色にも出会える。忙しい毎日の中でこそ、頭を空っぽにして自然に触れることも、時には大切だと思う。心にご馳走をあげるイメージで。秋の色を探しにゆこ、っ。幸い、花をいけていると、花や木との対話は毎日のこととなる。作例のような南米のパンパ平原に生えている巨大な稲科植物、パンパスグラスの花穂ですら、秋の一般的な花材として楽しむことができる。パンパスグラスは花穂を包んでいる皮を裂いて中から穂を出していける。六本の花穂を立てて中心に濃赤色のアマランサスをのぞかせ、吾亦紅を低く人れて、向分の中にある秋をいけた。面に薄仙渓a9

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