テキスト2007
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菊二色花器焼締横長花鉢私達が菊を楽しんでいけはじめるのは十月に入ってからのことである。丁度旧暦の九月、重陽(九月九日)。その頃になると、郊外を歩いていると、地咲きの菊が何種類も咲いている。花屋にも一年中出荷されてくる無季節の菊ではなく、この季節でないと手に入らないいい菊が並ぶ。品揃えのいい店だと二十種類も置かれている。大体十月の中旬から一ヶ月の聞に何十種類もの菊が、次々と入れかわってゆく。一つの品種が大体十日ぐらいの間隔で次の品種に変わる。いい菊を見つけると、その場で買うようにしているが、名前を憶えても、次の年にはもう栽培されなくなっているものもある。作例には白菊六本と、紅菊三本の計九本をいけている。今月の下旬になると、二輪つきや、もっと季節感のある菊がでてくる。そして少し変わった花型にもいけることができる。具留花型行型イ山蔚6

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