テキスト2006
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L・4uななかまどけいとう七竃と鶏頭〈表紙の花〉紅葉した七竃の枝を見ると、以前日本いけばな芸術大阪展でいけた五人席の花を思い出す。母と相談しながらいけた七寵は、まるでそこに山がやってきたような迫力があった。北海道から届けられた七琶の大枝には畜パつ赤な大きな実がたわわについており、赤く色付いた大きな葉の重なりの豊かさとともに、さすが北海道と感激したものである。もちろん素晴らしい花材を集めてくれた花屋には頭が下がる思いだった。ここという大舞台でのいけばなには、花屋の力に負うところの大きさを痛感した。ここ数年、秋を待たずに八月初旬頃から紅葉した七竃の切り枝が売られるようになった。枝に傷をつけることによって色付かせたものだそうだが、秋にいけるよりも水揚げがとても良い。この作例の七竃がそれにあたるが、季節の先取りをいけることができて有り難い。七竃は蕎蔽科の落葉高木で日本では北海道から九州までの山地から亜高山帯に分布する。名前の由来は七回竃に入れても燃えつきないからとか、七竃の木から堅炭をつくるには七日間かかるからとする説もある。七竃の仲間は北半球の温帯から亜寒帯に八十種が分布する。北ヨl仙渓たりいで。ん日本でも別名を雷電木とか単にロッパでは西洋七竃が広く分布し、大きな赤い実はジャムにされる。「生命の樹」として尊ばれ、北欧神話では大洪本のとき雷神が、」の木によって助けられたとされ、船をつくるときにこの木の板を一枚はめ込むと、水難に遭わないといわれたり、煙突などに雷よけにら立いでてんぼらくれたりし雷電とか呼ばれているところが共通していておもしろい。作例の織部の花器は、古流かたばみ会家元の大塚理司先生がご自身で焼かれたものである。たっぷりと水を入れると山奥の湖が連想される。赤色と黄色の鶏頭を覗かせて、初秋の山の色彩に想いを馳せる。花材七竃の紅葉鶏頭花器織部花器(大塚理司作)〈二頁の花〉今年も八月に入ってから述Uの猛暑が続いた。このテキストが山来る頃でもまだまだ残暑厳しいに述いないが、向然はちゃん必秋の気配を如らせてくれる。この柴栗の可愛い強の緑色は、ちゃんと秋はやってきますよと教えてくれているようだ。赤色が爽やかに覗く百合、ソルボンヌと合わせて、敢えて栗の葉を取り去り、涼しげにいけた。(ソルボンヌ)花器青白磁花瓶(市川博一作)栗と百合花材柴栗宵合’LHM,、削リ’仙渓2

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