テキスト2006
60/143

むーかりがま4Aがくあ」きけこの純向の花は虫狩である。虫狩はオオカメノキとも呼ばれる忍冬科・鎌酸実属の落葉低木で、山地に分布する。まわりを闘う花びらに凡えるのは雄芯や雌蕊が退化したあとの装飾花で、本来の花の役割をするのは小さな花のほうである。おそらく花の進化の過程で、外側の花と内側の花で役割分判ができてきたのではないだろ、っか。よく似た花に額紫花陽があるが、額紫陽花は雪の下科・紫陽花属で科が述、つにもかかわらず同じよ、つな姿をしている。四月十六日、桑原専慶流京都南支部いけばな展を見に行ったとき、大輪の虫狩をいけておられたが、純白の装飾花が輝くように美しく、印象に強く残っている。おそらく虫狩の名前で出まわる切り枝にも種類があるのだろう。小花に薄紅色がまじるものもある。虫狩の枝は団扇の骨のよ、つに平たく広がったものが多い。枝の伸びやかさを失わないように切り分け、主になる枝の前後に枝を重ねながら白い花を集めるようにして白さを際立たせる。花材虫狩花仲円回蒲持薬オクロレウカの葉花器月文白粕水盤(清水美菜子作)装飾花仙渓11

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る