テキスト2006
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形は鉛筆で書いて見せるだけで人に説明できるが、色は言葉だけでなく実際に見てもらわないと分からない。色にはそれぞれ名前がある。日本にも古くから使い続けられている色名がある。そしてその色を解説した本も沢山出版されているが、著書によって、同じ色名でも少しずつ違っている。そして赤といっても深みのある紅色、紅色にオレンジ色が加わると緋色になる。緋色に更にオレンジ色が加わると朱色ができる。紅色から朱色までにも幾つも段階がある。赤にカラlコピiの青(マゼンタ)が加わると脈脂色ができるのだが、その色を作る元になる染料や顔料も同じ名前がついていても色の度合いが違っている。油絵の具のヴァlミリオンを例にとってみると、最高級のA社のヴァ1ミリオンと、そうでないD社のヴァlミリオンを比較してみると、D社のは茶色に見えるほど違うのである。色を光学的に計量して数値で表示することはできるが定規で長さを計るほど簡単なことではない。だから色は自分の感覚の中にしっかり埋めこむしか計りょうがないと云える。同じ名前のついた菩薮でも、栽培者によって色の濃い淡いがある。それを見極めながら、とり合わせを考えるのも花をいける楽しみである。色づ遣かい仙粛2

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