テキスト2006
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さ当者−一内ct弓りん申うたんmwym弓ω∞∞コ}内2・noヨ(第岨一−種郵便物認可1985年日月お什)桑原与度流いけばなテキスト剖号2006年日川l日発行(毎月l回IH発行)桑原専凌流家元発行仙古川周彩歳お鍋とリンゴ棲赤く色付きかけた姫リンゴの枝を見て、蓋付きのホウロウ鍋を花器にしたいと思った。昨日丁度ポlクとリンゴのポットローストを作ったし、リンゴの季節になると、タルトタタンやアップルパイを作るつもりでリンゴを買うのだが、結局忙しくて生で食べてしまうことになる。大きな枝でもないのに、この姫リンゴは鈴なりの実で、とても可愛らしい。棋に広げて剣山にしっかり固定する。足元の花はガーベラをいけたが、リンゴがあまりにも日持ちするので、次々にいけかえた。透かし百合、ダリア、スプレー菊。どの花もリンゴと似合っていた。毎晩二時頃まで本を読んでいる。本と一ぶっても別に難しいのを読んでいる訳ではない。子供の頃から好きだった中国の仙人の話。これは小学一年生の時に「西遊記」にとりつかれてから、ずっと続いている。高学年になると父の蔵書の中から興味のある本を抜き出して読んでいたが、それは父が読むための本ではあったが、私が読めるようになったらと買っておいてくれた本でもあった。大きくて立派な本棚にぎっしり並んでいたので、読み尽くすことはできないうちに、戦災で全部灰に定価五−一五円ZG一\\なってしまった。でも私に最も深い影響を与えてくれた「林語堂」という中同人の書いた「生活の発見」という本は疎開するときの荷物の中に入っていたので、戦後大学へ行くようになってからも時々読み返していた。中国人とはどんな考えを持つ民族なのか、堅苦しくなく深い所まで描ききった本である。ボロボロになったので、表紙にフラノを貼り、背は赤いチェックの布にしていたが、どこか古本屋に出ていないか、ずっと探し続けていたが、十五年ほど前、梅田の古本屋で見付けた。新品同様に帯まで付いている上に、戦前の本では削除されていた日本に対する悪円も、ちゃんと書かれた戦後版だった。中国思想に興味を持ち、老子や荘子を読むようになったのも、李太白や王維の詩を読むようになったのも、この本を読んだお陰である。だが仙人の話からも離れられない。此頃夜中の二時頃まで読んでいるのは主としてそんな本である。中には夢のような美しい話もある。一時半頃になると、睡眠誘導剤をのんで、二時には眠るようにしている。それでも、睡眠時間は元米短い方なので、朝は七時半から八時に起きて自分の朝食を作りはじめる。一時間ほどかかる悠長な料理である。来年で八十才になる。これぐらいの事は許されていいのかもしれない。子

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