テキスト2006
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ιょ毎年秋から翌春までの問に、日本伝統工芸展が日本各地を巡りながら開催される。作品の種別によって、陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸(硝チ、七宝、故金、硯等)の七つの部門に分けられ、審査を通った入選作品が展示される。(地方展にはさらに選ばれた作品が陳列される)京都の五条坂に生まれ、生涯を通じて軸薬と土の研究に情執、を傾けられた陶芸家の清水卯一さんは、日本伝統工芸展第二同展(昭和三十年)入選以来ずっと出品を続けられ、昭和六ト年には「鉄紬陶器」の技術により、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。惜しくも一昨年他界されたが、以前、滋賀県の蓬莱窯に卯一先生を訪ねた時、湖国の門然を愛されておられることと、毎日少しのお酒を心から楽しんでおられるお姿に接することができ、身を裂くような修練の末に手に入れられた「美」の極みがにじみ山てくるような万だと感じた。この器には雪月花の文字が書かれている。卯一先生の心の中の月を思いつつ、季節の草花をいけた。花材紫式部花器蓬莱雪月花花入(清水卯一作)月と花仙11 上桔う梗鵬ろう杜ほと(白鴇とE花す)渓

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