テキスト2006
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やってみよう生け花アイゼナハ歌劇場特別演奏会京都新聞「夏の夜のファンタジー」記念いけばな展(写真九頁下)2006年7月引H(金)桑原専慶流家元教室で松浦記者(男性)が一日体験入門し、稽古の様子を紙面で紹介。(右)ドイツ・アイゼナハヴアルトブルグ城ドイツで活躍する京都出身の指揮者、阪哲朗さんに励ましのエiルを届けたい!・・・そんな思いでドイツを訪れ、桑原専慶流卜五名が一作7月汐日カラーずつ花をいけ、演奏会に来られた皆様に見ていただいた。演奏会の会場となったのは、ヴアルトプルグ城。九百年の歴史があり、世界遺産に指定されている古城だ。山の頂上に建っているため、窓からは森の緑が遥か彼方までつづく。そして演奏会のある「祝宴の間」に目をもどすと、落ち着いた色彩と金色の縁取りが、絶妙のバランスで、気品あふれる、それでいて力強い重厚な空間を作り出している。そしてダlクブラウンの格天井が無限の空間につながっているような錯覚を起こさせる。演奏会当日。夕刻からお客さんの前で花をいけた。女性は着物姿。いろんな結び方の帯にも感心が集まる。花は回廊と祝宴の間をつなぐみずしさが加わると、不思議な安らぎが生まれた。その夜の阪さんの指揮による演奏はモーツァルト、チャイコアスキー、そして芥川也寸志。彼の批判ぎだす音楽は滑らかな河の流れ。激しい山風。ドイツでは珍しい炎暑の夜、遅くまで照りつける夕陽に気が遠くなりそうになりながら、阪さんの指揮を目で追う。特別の空間で聴いた至福の調べ。まさに「夏の夜の夢」のようなひとときだった。アイゼナハにはバロック背楽の巨匠バッハの生家があり、蘭の生花を献花させていただいた。アlチ窓へ。剛の空間に花達のみず(フランス編へつづく)仙渓8

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