テキスト2005
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人ぐらいが内緒で順番に口で伝えて仙粛彩歳「伝える」棲立花仙今年の華道京展は「伝える」というテlマだった。そんなテlマなら、私と仙渓、そして素渓(健一郎)の三代が出品すれば主旨に沿うだろう。後期の招待席に、私は桜の立花、仙渓が桜の生花。そして小学校三年生になったばかりの素漢が「ホッホチャンとケンチャン」を受け継いだ自由花を出品した。十頁下段の左端の花である。正しく伝えるということは、大変難しいことである。皆さんもこんなゲlムをご存知だろうと思う。字数にして五土子ほどの文句を十ゆくと、最初の人の云ったことの内容が、十番目の最後の人の伝え聞いたのと大きく違っている。時には丸きり変わっていることもある。いけばなの場合、ちゃんとした伝書があり、各代伝え続けてゆくのでそれほど大きく間違わずにうけ継がれるが、それでも各代ごとの主観が入るので微妙な違いがでてくる。今回は私の立花、仙渓の生花、岡本慶靭さんの古風な盛花、品川慶京さんの現代的な投入、素子の作風をうけ継いだ素渓の自由花。三十年先、八十年先にど、っ変わってゆくのか、いけばなは、それぐらい長い年月をかけて新しくなってゆけばいい菊作11 。

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