テキスト2005
58/143

たんごはなしようぶあやめのはなしようぶ花蒲花型真剖(オクロレウカの借葉)花器灰色紬陶鉢端午の節句に子供達の健やかな成長を願っていけられる花菖蒲が実際に屋外で咲くのは五月下旬から六月下旬で、節句の頃には早咲きの品種が葉と共に出回るが、まだ葉はしっかりしていない。本来の季節を待っていけるのが自然なのだが、どうしても早い時期にいけるとなると、作例のように姿が花菖蒲の葉に似ていて、花菖蒲よりも丈夫なオクロレウカの葉を代用することがある。花菖蒲の葉を用いるのが本来のいけ方であるが、すぐに萎れてしまう葉の代わりに、別の丈夫な葉を借りていけるわけである。花は真、副、胴に使い、葉組をした葉株を真、内添、真囲、副、副沈み、胴、総囲、留、控に使う。花菖蒲は菖蒲科の野花菖蒲をもとに品種改良がすすめられ多くの花型と花色があり、六月の開花期には方々の花菖蒲園で見事な花を塑貝できる。大阪の城北公園は江戸、伊勢、肥後などの系統ごとのちがいを見られる。東京の明治神宮には深い森の沢にそって主に江戸花菖蒲の名品が観賞できる。見事な花姿のものや、小さくてもひときわ美しい花色のものなど、自分の好きな品種を見つけてその名前を覚えて帰ろう。仙渓6

元のページ  ../index.html#58

このブックを見る