テキスト2005
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マイセン三年前にドイツのドレスデン郊外にある古都マイセンを訪れた。ドレスデンと比べ、第二次世界大戦の被害も少なく、古い家並みの残る小さな田舎町という感じで、ここに世界一高級な食器を作るマイセン磁器工場がある。「マイセンの蓄薮」で馴染みのある白磁器の査を買い求めた。日本の窯元で買うのと同様、日〈表紙の花〉楼子本よ均も随金安くで手に入れたつもりだったが、周りの観光客からは眺望の目で見られて驚いた。小さいけれど大切にしている査なので、この蓄額の色を引き立ててくれるような花をいけようと思っている。濃いピンクのゼラニウムの花が咲き始めた。毎日花びらを散らしながら。白にピンクまじりのスイートピーをそ、えて。寿松水仙〈2頁の花〉仙粛花型行型花器雲母紬小水盤寿松は葉がよく締まっていて、姿がいい。この松をはじめて見たのは北欧だった。丁度いけばなのセミナーをやっていたので、そのための展示用の立花に使った。その後すぐ京都の花屋にも扱われはじめたので、それ以来何かにつけてよく使っている。作例に使ったのは、み実しよ生うから三年ほどの寿松で、真は四OFほどの高さで、副はそれより少し小さい寿松の上半分を切り落としてそえた。この寿松にそえる留の花材は水仙が最適だったのではないかと思う。もっと大きい寿松なら椿がいいだろうが、この寿松なら水仙一本が量感としてのバランスがいい。深紅のグラジオラスグラジオラスの大きく咲いた花とは対照的に、小さく尖った奮は、真っ赤なマニキュアで染まった爪のようだ。母の爪を思い出して思わず買い求めてしまった。クロトンに似た葉はメリタ・厳しい寒さの中でこのような温もりのある花に出会えるとは。京都にも最近、独自のこだわりを持った花屋さんができてきて、花を探す楽しみが増してきた。〈3頁の花Vリlフ。蕃蔽の名前はセザンヌ。棲子3

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