テキスト2005
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ピlクであった。例年より遅めの花型草型副流し花器群青色花瓶京都の今年の紅葉は十一月下旬が木々の色付きを眺めながら歩いていると、小さな公園の敷地いっぱいに落ち葉が敷きつもっていた。大きく枝をのばした桜の木には、まだ少し葉が落ちずに残っている。さくさくと枯葉の上を歩く。焦茶色の枯葉にまじって、糧色、赤色の美しく色付いた桜の葉をみつけると嬉しくなる。ほのかに桜の香りを感じた気がした。桜には卜月桜(八重)や冬桜(一重)のように晩秋から冬にかけて咲く品種があり、花尾には炎、桜の名前で出まわる。春の華やかな桜にはない静かで枯淡な味わいがある。作例では真を大きく撰めて副を伸ばした副流しにしたが、小さめにいけ上げて、上品な花型にするのもいい。寒桜ftll 渓10

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