テキスト2005
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ぜんちくいとばしよう糸芭蕉沖縄から届いた糸芭蕉を秋の花展で使った後、軒先に吊しておいたら、葉が締麗に枯れてくれた。糸芭蕉は琉球芭蕉、島Iバ’ょ・ナナとも呼ばれ、南西諸島原産の芭蕉科芭蕉,A・属の多年草。茎からとった繊維で芭焦布を織るため、糸をとるので糸芭蕉の名がある。バナナの仲間だが実は食べられない。巾国原産の芭蕉よりも小型である。芭蕉は平安時代に渡来していて、寺院の庭などに植えられた。能の一つに「芭程…」がある。金−んば春る困に住む僧のもとを’K(芭焦の精)が毎夜訪れる。その巾で、月光の下、芭蕉の精が舞い、風とともに消え去る場面がある。(中略)・・・山おろし松の風。吹き払い吹き払い。花も千平もちりぢりに。花も千草もちりぢりになれば。芭蕉は破れて残りけり。強い風に葉を破られながらも、天女の羽衣のように葉をはためかせる芭蕉の安が日に浮かぶ。芭蕉の葉音に耳を傾けて、物事の真理を問いかけているような、不思議な世界。私達のいけばなも、植物の営みに敬窓を払うような心を大切にしたい。花材糸芭蕉蓄蔽花器御影石花器仙渓作禅世ぜ竹阿あ弥(みのそ室娘町婿時)代のの作能で役、者中・園能、作楚者の。10

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