テキスト2004
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と句かぶとベと・ワであい串うろしもつけそうは〈さん夏山の想い出夏山のシーズン到来。以前、山登りがお好きな中川慶光先生のお話に刺激されて、棲子と二人で白山に登ったことがある。丁度お盆休みの頃。石川県白峰村の別当出合で一泊し、翌朝登山開始。途中、降ったり止んだりの雨の中、およそ五時間で室堂の南竜山荘(標高二四五にたどりついた。雨と汗に濡れた後、高山の冷気にあたって棲子は高熱を出す。山小屋で薬をもらい、一晩苦しんだ末に翌朝は熱が下がっていた。あれ以来なかなか山登りができずにいるが、白山では自然の厳しさとともに、自然の美しさも味わった。山頂からの絶景には出会えなかったが、登山道で出会う樹木や草花には都会では味わえない感動がある。目指す山荘まであとわずか。疲れ切った身体にも幾分山上の空」気を味わう余裕が出てきた頃。小さな沢に架かる小橋を渡った斜面一面に色とりどりの花が咲いていた。車百合、白山風露、下野草、伊吹虎の尾、白山鳥兜などなど。高山の霧が葉に潤いを与え、比較的風の弱まるその場所に身を寄せ合って一面に咲く花たち。山歩きの疲れも消えて、その山会いに感謝したくなるo」の季節に山の草花をいけると思い出す貴重な体験であった。(仙渓作)花材姫百合穂咲七竃花器焼締め花瓶F)0ι4

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