テキスト2004
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し町、‘初夏から盛夏ヘ〈2頁の花〉葡萄葡萄は葡萄科・葡萄属の斐性植物で葡萄属は中近東、アジア、北アメリカに分布し、日本にも山葡萄が自生する。この「テキスト」でも度々果物などをいけばなに取り入れるて夫が利介されてきたが、葡萄は鉢植えでも売られているので、斐のままでいけることができる。幹ごと切っていけばなにするのはまことに賛沢な扱い方ではあるが、普段手に入る切り花にはない良…の面白みがある。作例では鉢から切った葡萄の蔓をそのままでは下に着いてしまうので、ぐるっと輪にして細針金で括り、花器に止めた。実を隠している葉は少し取り去っている。もう少し葉を整理して蔓の動きを出してもよかったが、業の瑞々しきがなくなるので取りすぎないようにした。取り合わせには葡萄の緑を爽やかに引き立てる白のカーネーションを十本と、花器の色に合わせたセピア色のカーネーション五本を選んだ。セピア色のカーネーションを花器の口元にかためて、色彩の効果を強めている。(仙渓作)花材葡萄カーネーション二色花器エナメル彩ガラス花瓶尽都では、五月中旬葵祭が終わるフランス・クリシl製八表紙の花〉頃から祇園祭が近付く七月上旬までの聞に初夏の花が出揃、っ。裏白の木の口みがかった業色は明るい日射しを浴びて緑が濃くなり、花も背から日本人には親しみ深い門生種の百合類をはじめ、この季節ならではの花が咲く。裏白の木と京鹿の子にとり合わせた百合はスイlトメモリーという名がついているが母種は円本原産の百合である。ヨーロッパで作られた園芸品種だが、笹百合や乙女百合の面影を残している。いわば日本に里帰りした百合なので、六月から七月にかけて母種の咲く頃にその季節の花ととり合わせてやりたい。七月に入って梅雨が終わる頃になると、初夏に初々しかった落葉樹類は緑は濃く、葉は大きく成長して重なり合う。そのままいけたのでは重苦しいので葉をすかせて風通しのいい感じを持たせる。そして花器も背や白の磁器や陶器、ガラス器。水盤なら大きく水面を見せられるようないけ万になる。そして何を表したいのかはっきりさせる事。v」の作例は盛夏に入る前の一時丞の日本の自然ということになる。たとえ洋名のついている花でもそんな感じを与えることができるのである。花材京鹿の子裏門の木百合花器青白磁面取鏑文花生宮永東山作(素子作)2

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