テキスト2004
57/140

やまぶさ花器山吹は蓄薮科の落葉低木で、日本と中国東部に分布する。万葉集にも多く詠まれているように、秋の萩と同じよ、つに風に揺れる華奪fぷ買が日本人の心を捉えてきた。山吹は本来「山振」で、山地の谷川沿いを好み、細い枝が風に揺れるところからこの名があるらしい。京都盆地の西山の麓に松尾大社があるが、境内の小川のほとりに山吹が植えられて四月初旬には山吹色の花が群れ咲く。私の実家の母は松尾大社の清水をいただいてくるのが良い散歩になっている。山の清水と山吹の組み合わせが清々しい。ただ山裾の湧き水を頂いてくるだけの}」とではなく、松尾大社の背後にひかえている深い山の気を頂いてきてくれているよ、つに思、っ。山並みを連想する鮮やかな模様の器に山吹の小枝を投入にし、菊と撫子を添えて上品な小品花にした。花材9頁の花〉山吹(和則作)菊撫子彩泥陶花器(宮下善爾作)山吹〈9

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る