テキスト2004
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素直な小品花〈表紙の花〉主子作花材アミんカシア蓄蔽空の色八2頁の花V素子作アマリリス一本、カーネーション四本。簡単なとり合わせだが、気取らず葦平山一にいけるのは中々難しいものである。いけばなは室町時代の立花で形を得たが、これは大変複せい雑かな’花型である。次に江戸時代に生花が始まったc生花は大変シンプルな構成で、真、副、留の三枝だけで殆どの植物の自然な姿を表現できるようになった。明治時代以後は盛花、投入と花型は自由になっていくが、それは立花、生花で得た日本肯来の植物への感性の歴史を経てきている。現在、名前もおぼえきれないほど多種多様な輸入植物を手にして途惑うこともあるだろうが、そんな植物でも、日本人がいけばなで培ってきた素養はそれに対応し得るのである。この作例で難しいのは水際のまとめ方だろう。ラデロフ氏の作ったこの花器の縁の角にあわせたようにカーネーションの葉を見せている。花材カーネーションアマリリス花器変わり型彩色花器暖かくて青い空の色に、黄色のアカシアの花はまぶしいほど輝く。そのまぶしさをおさえるように濃い赤の蓄蔽をそえ部屋にとりこむ。花器燦彩文水盤2

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