テキスト2004
22/140

木瓜白椿花器碧青紬花瓶木瓜は手にとって、枝をあっちを向けたり、こっちを向けたりしながら、いけ上がりの姿をあれこれ思案する楽しみのある花である。この作例はやや太めの枝二本でできているが、副と胴になっている枝は、かなり複雑な枝振りである。この一本は枝先がしっかりした二本に分かれているので、そのそれぞれを生かしたいので、変則的な胴流しの花型にしてみた。胴は本来なら、こんな下垂枝ではないのだが、木瓜の出生の姿を活かしたいのでこういう形をとったが、先代はこんな花型を乱曲体とよんでいた。この生花では、真と副と留だけはしっかりと型をきめているので変則的な胴もこれで納まっているのではないかと思っている。留としてのとり合わせは色々考えられるが、この木瓜には、白椿しかないように思う。花型草型胴流し(仙渓作)9

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る