テキスト2004
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品川付モロッコの大皿約七O種のヴアンダ属(蘭科)のうちで、ヴアンダ・コエルレアは青色の最も美しい品種である。原生種はインド、ピルマ、タイの高地の油虫低な大気と霧の中で秋に咲く。その青色は強く遺伝するので交配によく使われるそうである。ピンクッションという名で通っている山もがし科の花は、南アフリカ原産のレイコスペルマム・コルディフォリウムという学名がついている。同じ科のパンクシアとは少し違うのでピンクッションと英語でよんだ方が良さそ、つである切り花用の園芸栽培は風土のよく似たオーストラリア、カリフォルニア、ハワイで行われている。南アフリカでの原生種のピンクッションの開花は十月だそうである。とり合わせた二重咲きの白宵合の母種はどんな種類だったのだろう、。多分日本の原産種の百合から作られたジヤパニlズの一種なのだろう。ヴアンダ、ピンクッションは地球の北半球と南半球に住み分けてはいるが、原産地では十月頃に咲くらしいが、私達には季節感がともなわない。二重咲きの百合は本来の開花期とは少しはずれているが、ヴアンダとピンクッションとの配色はいい。そんなことを考えながら、モロッ・ハイブリット楼子作コの大血にいけた。青、黄、赤、緑の多彩な唐華棋様の聞に銀の飾り金具がちりばめられ、縁には透かし彫りの輪がはめられている。昔からのモロッコの飾り血だということである。この大皿には、もっと色々異同調の花をいけてみたいが、日本的な秋草は避けた方がよさそ、つである。花材ヴアンダピンクッション二重咲白百合モロッコ製飾り皿大刑季開店の生物学コーナーには多穂多様な植物図鑑が並んでいる。手許の書棚にも色々な図鑑を置いている。私がよく使うのは、朝日新聞社が一九七五年から一九七八年にかけて毎週一分冊ずつ出版された「世界の植物|一四O分冊|」と、同じく朝日新聞社が一九九四年から一九九七年にかけて出版した「植物の世界|一四五分冊|」の二種類で、共に現地で撮影された生態写真が掲載されていて、科名・属名が詳しく分類されている。例えばヴアンダ・コルレアもタイの高地の大樹の太い枝に着生して咲いている写真がのせられている。そのお陰で私にもヴアンダがどういう花がわかるようになるのである。植物図鑑は面白い!仙粛花器9

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