テキスト2004
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紫色のカーネーション八表紙の花〉棲最近私は藤色・草色・深紫色という三色濃淡の花色を取り混ぜて、食卓などに飾って楽しんでいるカーネーションの語源はラテン語のコロネlション(肉色)からの意味で、赤などの暖色系を主とする色合いだったのに、今ではこの様な寒色系のカーネーションを見かけるようになった。冷たい感じを与えないのは、柔らかな和紙をたぐり寄せたような優しいかたちのせいだろうか。この花はもともと強い芳香をもち、紀元前から観賞され、精油を採取したり、ワインの芥りづけに利用されたりと、とても良い香りの花だったらしい。花色によっては全く香りのしないものもあれば、うっとりして花に顔を地めたくなるような甘いものやスパイシ!な香りもある。カーネーションをいける時は、花の向きや面を考えると同時に、花茎にも気を使っている。|花茎を美しく見せること|色や形だけに魅せられず、療とした姿にいけたいと思っている。ここでは立ち枯れ紫陽花と取りあわせたが、単純な丸形の組み合わせなので何度も挿し変えた。一輪の花を動かすだけで、全体のバランスが随分追って見えるコ白い枯れ紫陽花はこの後、緑色を帯びて枯れてゆくという不思議な変化があった。子作2

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