テキスト2004
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い由たでたであかのまんま花材今年の夏は福井や新潟で集中豪雨による被害がでたり、記録的な猛暑による熱中症で倒れる人も多かった。台風も何度も日本列島を襲ったが、台風が行き過ぎて遠く去った後には、雲と太陽が大空に美しい形を描いてくれる。大自然は驚異と美しさとが揮然一体となって存在する。怖れ、そして魅了され、私達人聞がどれだけ小さな存在であるかを知らされもするし、又自然からの感動を表現する能力も人は持っている。自然に対して謙虚であり、また自然に目を向けながら豊かな心を育てた‘ν 々ι焼け色を染めたようなあかのまんま(犬琴)は、水揚げの悪い花だが、少しの問でも身近にいけて眺めていたい花である。日本全土の田や湿地に生える夢科の一年草。子供のままごと遊びにこの花を赤飯にみたてて使われたのであかのまんまの名がある。審のような辛味はなく、利用されないので犬夢と呼ばれる。細長い煤竹の手付能に矢筈薄(鷹の羽薄)、小菊とともに投入にした。垂れ下がる赤い花穂が目立つように取打合わせも花剖一もシンプルにしている。あかのまんま矢筈薄小菊花器煤竹手付龍すすだけやはずすすき仙渓作9

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