テキスト2003
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μしき(第−一−純郵便物認可5年日川お日)桑原市守慶流いけばなテキスト舵ひ2003年8月l日発行(毎川l同l日発行)桑原導度流家元発行スイカ孫達二人は大皿の西瓜を夢中になって食べている。いくらホッホチャンが、「もっと行儀良くお上がりなさい!」といっても自分のお皿の周囲に西瓜の種と果汁を飛び散らせている。そして一切れ食べながら、次の一切れの良さそうなのを物色している。母親のはなが、は「もうおしまいにしなさい。食べ過ぎよ!」孫達は母親とホッホチャンの顔を見くらべる。ホッホチャンはニコニコ楽しそう。は「ホッホチャン、甘い顔しないでよ!、私達の子供の頃、私達に同じこと言ったでしょ」その夜ケンチャンはホッホチャンの部屋で泊まる。そんな晩はいつも眠る斗別にケンチャンとホッホチャンと私の三人で紅茶を飲む。テレビはっけない。ケンチャンはテレビをつけるとお話できないから嫌なのだそうである。その代わりに静かなCDをかける。色んな話をしているうちに、お三時の西瓜のことを思い出したらしいヶ「明円の朝、学校休みやから、おじいちゃまと錦小路へ西瓜買いに行きたいな」ホ「かまへんけど!ll。それはそうと西瓜は錦小路で生るのゃないでしょ。どんな所で出来定価五OO円}二石一\\宅老名・一戸』者ω}gg・ωるか知ってる?」ケ「???」ホ「大きな広い畑で作るの。大昔はね、お三時に食べたような大きくて、おいしい西瓜はなかったの」ヶ「ーーーウ・」ホ「西瓜はね、人間がね、長い長い間おいしくなるように育ててきたの」ヶ「へえーっ、そんな大背。恐竜も西瓜食べたんか?」ホ「いいえ、抗、主巴の時代にはまだ西瓜はなかったの。その頃には花の咲く植物がなかったから果物もなかったの。恐竜が絶滅する少し前ぐらいからかな。植物が花を咲かせたり実ができるようになったのは」ヶ「明日錦小路もええけど、西瓜作ってるとこへ行きたい」だがホッホチャンも私も京都の近郊で西瓜を作っている所を知らないが連れて行ってやりたいとは思う。自分達が食べる野菜や果物、いける花がどんな風に育てられているか、早くから知るに越したことはない。数日後この西瓜とハイビスカスをいけたのだが、ケンチャンがしっかり名前を覚えているのは西瓜だけで、ハイビスカスという名は忘れるだろう。でもこの強い赤を主体にした盛花の印象だけは覚えていてくれることと田ゃっ。mwDW2・のOヨ。

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