テキスト2003
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、7はなしようぶふとい花菖蒲太蘭花型花器焼締花鉢五月、端午の節句が終わって五月末から六月の中頃まで、各地の菖蒲園の花菖蒲が咲く。白、白に紫の絞りや縞目模様。赤紫に淡いピンク。濃紫。それぞれ花名がそえられている。それぞれ系統だった産地別の品種である。肥後二種一株いけ盲六の+化刑ヰ① 姥惚3副|葉3花l太蘭3胴|業5花1太蘭3真l葉3花1太蘭3控|葉3・花茎O太蘭留葉(熊本)、伊勢(三重)、江戸(東京)が主な栽培品種の発祥地だが、名前のついた園芸品種は五000以上にもなるそ、つである。だがこのように多品種、多彩な花菖蒲も、私達が端午の節句にいけるのは早生種の淡紫色と白花ぐらいのもので、六月の菖蒲園の花菖蒲を見て、こんな花がもっと切花で出てくれればいいのにと残念に思う。これは多八品句にとらわれすぎているからなのだろう。旧暦の季節感はとっくの昔のこととして忘れ去られた。花菖蒲は杜若と共に生花の葉組物の代表格になっている。作例では花菖蒲と太蘭の二種はいずれも水辺や湿地を好む植物なのでまとめて一株にいけている。いける順序としてまず真の花菖蒲の花を高き約六十五Fにとり、その前に三枚の葉組を添える(高さ五十r)。そしてその後に高さ八十五Fの太蘭を挿し、更に二本低くとった太蘭を挿し加、える。関⑦でその高さの割合と葉の組み方を示し、関②でそれぞれを挿す位置を示した。副、胴、留、控の形は写真のようになる。作例のような二種一株いけは難しいように感じるかもしれないが、いけていて爽やかなものである。要はいいと思った生花をよく見つめて心に刻み込んでおくことである。7 IJIJ ② 』:4

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