テキスト2003
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う春の宵|。早春の京都東山界桜と杜若「京都・花灯路」|だれと歩こ隈を夕暮れ時からそぞろ歩いてもらおうという企画で、三月七日から十八日まで円山公園を中心にしたイベントが行われた。円山公園の枝垂れ桜を背誌にした野外舞台での狂言や演奏会に多くの観光客が訪れた。小川のせせらぎ一面に立てられた青竹の灯寵に灯がともると、タ閣の中に幻相心的な光景が浮かび上がる。私達華道家も野外いけばなを展示し、界一と夜、両方の花の表情を楽しんでもらういい機会となった。公園の桜は奮を膨らます時期をうかがっている。年朝、花の手直しを終えて閣内を散歩すると、小川に杜若の若葉が顔を山したところであった。茶色くなった古い葉をおしのけて、初々しい葉株が生まれ出ている。やがて拡が咲く頃には鮮やかな葉の緑色が水面に並び立つ。そして遅咲きの八重桜が散る頃には、杜若も花をのぞかせていることだろ、っ。花器に砂利を入れ、剣山を二つ並べて置き、右側に桜を左側に杜若を立てている。こうい、つ花型を盛花では分体花割と呼んでいる。水際をくっきりと見せた。花材八重桜杜若花器以色柚方形花持(宇野仁松作)かきっぱた和則ハUlみ止も

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