テキスト2003
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jドドqU口R/れEu春の匂い八ほんのりした色のガーベラを集めて白いライラックのとり合わせ。淡色の盛花なので、写真のバックは濃い緑色にしたのだが、部屋に飾っても花はくっきりと浮かび上がってほのかに匂う。私の家の壁面は殆ど緊楽色(淡茶色)なのだが、その前で水々しく咲き続け、部屋の主のような表情で居座っている。ガーベラはいつ頃からヨーロッパで栽培されはじめたのだろう。植物辞典には十九位紀の終わり頃南アフリカからイギリスに渡って、一九』0年代から困芸栽培がはじまった。そして日本にはそれから十年もしない聞にひろまり、新品種も多数作り出されている。作例に用いたガーベラは淡色の小輪種で大きさは冗jわいい花である。この小型ガーベラの色をはっきりさせるために白花のライラックをマッス状に右側にかため、まずその前にピンクのガーベラから挿しはじめたが、全部淡色なので隣りあう花の色に気をつけたい。そして花の形が浮き出せるようにミリオクラダスを下部に集めている。花材ガーベラ2頁の花VLハrほどのかライラック(白花)ミリオクラダス紺色ガラス鉢応用花型和則〈3頁の花〉盛花の基本花担の稽古を電ねて、花材の特徴を花形に生かすことが身に付いてくると、いつもと違う形の器を使うことで、応用花型を考えてみよう。①いつもより小さな器にいける。花形を小さくするために、花材をよく見つめ、余分なものを切りのぞき、必要なものを選び出す練習となる。また小さくても生き生きとしたいけばなをつくる考え方が大切となる。令変わった形の花器にいける。いつも似たような花型にいけてしまう、と反省することがあるが、花器の形を変えてみることで「自分で花型を考える」ことが出来る。花型の長短を変えたり、基本枝の省略をしてみる。作例は細長い器に剣山を三つ並べて横長の花剤を作った。青麦は前後二十苧程の奥行きを持たせて、穂の高さを微妙に変えながら立てている。アルストロメリアは思い切って低く挿し、青麦の足元に前後に絡め本際を美しく作るのにじ夫した。存の麦畑に蝶が舞、つよ、つな気分でいけている。応用花型は基本花型で身につけた感覚を生かし、基本から離れることなく定形の堅さから抜け出よ、っとする心でいける。それにはかなりの技巧の上達が必要となる。3

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